「一切の責任を負いかねます」
この文言をよく目にするが、肯定の形で否定の意味を示されることにモヤモヤしている人も多いのではないだろうか。
そこで、何故「かねる」という言葉が使われているのか考察していきましょう。
「かねる」という言葉の意味
「かねる」とは、「できない」という意味に「申し訳ない」という気持ちを込めた敬語表現である。
主に、「動詞の連用形」+「かねる」+「ます(丁寧語)」で使用され、「○○しかねます」という形を取る。
文法的に直接否定の形を取らないことで、柔らかい印象を与えるためのビジネス敬語として、一般的に使用されている。
なぜ肯定形で否定の意になるのか?
では何故肯定形で否定の意になる「かねる」の存在が許されているのだろうか?
マイナス×マイナス=プラス説
これは、「かねる」という言葉が「できない」というマイナスな意味と、「申し訳ない」というマイナスな意味を掛け合わせた意味を持つことで、形としてはプラス、つまり肯定形になっているのではないか?という説である。
too to構文説
英語にはtoo to構文という文章構成があり、直訳すると、「○○するには□□すぎる」という意味となる。
しかし、これを訳す時にしばしば、「□□過ぎて○○できない」とすることがある。
この訳のように、相手の「して欲しいという気持ち」と自分の「できないという気持ち」を兼ね備えているという直訳するべきなのだろう。
しかし、正しく理解するために、「して欲しい気持ちは分かるができない」と考えるようになったという説である。
誤用説
「重複」を何と読むだろうか?
「ちょうふく」だろうか、「じゅうふく」だろうか?
本来は、「ちょうふく」という読みだった物が、「じゅうふく」が広く使われるようになったことで、現在では両方とも認められている。
このように、元来「かねる」に「やんわり否定」の意味は無かったが、誰かが使い始めたものが爆発的に広まったことで、その意味も認められたという説である。
結論
結論として、「かねる」の始まりは何なのか、何故「かねる」の存在が許されているかは分かっていない。
上記の説も私が適当に考えたもので、ただの考察でしかないものである。
しかし、この考察を発表した時点で、この説が認められ、今後正式採用されることも無くは無いだろう。
そういう意味では、私のような愉快犯が「かねる」を現在の形で使い始めたのかもしれない…

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